海外でVPNを使うのは違法?違法な国や逮捕された実例を併せてご紹介!

VPNの選び方

海外に行った方なら一度は使った経験がある「VPN」は海外から日本のサービスにアクセスするために必要なツールです。

日本の動画サービスやSNSは、法律の違いから国外のアクセスを遮断しており、普段通りに使えない事実はまだ知らない方も多いのではないでしょうか

今回は海外でVPNを使用するのは違法なのかを中心に解説しながら、VPN利用を違法としている国や逮捕された事例などを交えながら紹介しています。

これから海外旅行に行く予定がある方はぜひ参考にしてください。

当サイトは日本人視点で利用しやすいVPNを紹介するサイトです。海外在住時にさまざまなVPNを購入・使用した経験を持つ日本人がVPNに関する情報を発信しているので、ぜひ参考にしてください。

海外でVPNを使用するのは違法?合法?

海外でVPNを使用するのは違法?合法?

一般的に海外でVPNを使用するのは違法ではなく、合法的に使用が認められています。VPNは欧米諸国を中心に利用されており、積極的に企業が導入を勧めています。

ただし、中にはVPNの使用自体を違法とする国もあり、知らずに法律違反をしてしまう危険も。

日本人のVPN使用率はわずか8%、VPNについては4人に1人が「知らない」と答えるほど認知されていません。

NordVPN「VPN usage survey」引用

海外旅行で日本人が多く訪れているアメリカやイギリス、オーストラリアなどの有名観光地は基本的にVPNが規制されていないと考えても大丈夫です。ただし、中東やアジア、ヨーロッパの一部地域では規制されている可能性があります。

規制されている国については当記事で紹介しているので、併せて参考にしてください。

海外の国がVPNを制限する理由とは?

海外の国がVPNを制限する理由とは?

欧米諸国で積極的に利用されているVPNが「なぜ規制されるのか?」について気になっている方は多いと思います。

VPNの本来の目的は「インターネット上のアクティビティを匿名化する」ことです。インターネットのセキュリティを守るはずの技術が規制されるのは納得がいきませんよね。

ここからは海外の国がVPNを制限する理由について解説しています。

国内統制を目指すため

VPNを規制している多くの国の政府が「国民の統一意識を高めるため」と公言しています

日本に住んでいる私たちには理解し難い内容ですが、簡単にいうと「反政府的な思考を持たないようにする」が最も意味が近い言葉です

例えば、海外発祥のX(Twitter)やInstagram、YouTubeでは多様な考え方を持つ方が情報を発信していますよね。

中には世界情勢に対する意見や各国の考え方・思想について反対している人もいます。世の中にあふれている情報や考え方、価値観に触れることで「私たちの政府は間違っている」と思わせないために情報をコントロールしています

VPNを使用すると外部の情報にアクセスできてしまいますからね。

犯罪行為を助長する映像から影響を受けないようにするため

海外は日本ほど治安のよい国は珍しく、中には歴史の中で犯罪行為が横行し続けている国も存在します。

VPNを規制する理由として、「犯罪行為を助長する映像に国民が影響されないこと」を掲げている国があります

世界中で配信されている動画や映画には、戦争や過去の犯罪を題材にした映像もあり、国民が影響される危険がゼロとは言い切れないですよね。

中にはテロ行為や銃撃事件などの重大犯罪につながる危険もあるため、一部の国ではVPNを利用したNetflixやAmazonプライムビデオの視聴を制限しています

政府がインターネットを監視するため

国内統制と規制内容は似ていますが、政府が国民のインターネット上のアクティビティを監視する目的でVPNを規制するケースも珍しくありません

国が統制を目指す中で、反政府的な意見を持つ人は一定数いますよね。反政府的な思想をSNSで拡散される目的を防ぐためにインターネットの検閲・監視を実施します

政府にとってインターネット上のアクティビティの監視は、反政府的な思想を効率よく排除できるため、重宝しています。

後ほど説明しますが、政府が認めたVPNのみ使用が認められている国で、認められたVPNは監視対象になっており、VPNの接続先も政府に監視されていると考えてもよいでしょう

VPNの匿名性を無視した改造VPNを提供しているとも言われています。

VPNの使用を違法としている国まとめ

VPNの使用を違法としている国まとめ

ここからはVPNの使用を違法としている国をまとめています。主に規制が厳しい国や使用自体が禁止されている国をまとめました。ぜひ参考にしてください。

中国

中国は政府が認めていないVPNの使用を禁止している国として有名です

中国の領域内で使用するインターネット上のアクティビティは全て政府の監視対象です。

政府が開発した大規模な検閲システム「グレート・ファイアウォール」による影響で、SNSや動画配信サービスへのアクセスはできません

ただし、VPNを徹底的に排除する動きはなく、一部では中国の外交性が失われるのを恐れているためだとも言われています。

そのため、中国政府が認めていないVPNの使用が横行しており、実質「グレーゾーン」としてVPNが利用できます

ロシア

ロシアは記憶にも新しい「ウクライナ侵攻」が始まったことで、VPNの規制を強めている国として有名です。

ロシア政府は2024年3月にVPNを全て規制すると発表しており、今後VPNの使用自体ができない可能性も考えられます

「SNS上のロシア人に対する暴力や差別的な発言」から市民を守ることを規制する理由として挙げています。

また、FacebookやInstagramのプラットフォーム「Meta」をテロリストおよび過激派と断定するなどVPNに対する姿勢を強めていることが伺えます

北朝鮮

北朝鮮ではVPNの使用はおろか、インターネットの使用も確立されていない国です

インターネットを使えるのは一部の上級国民に限定されており、一般国民は携帯を所持していません。

万が一、北朝鮮に滞在する場合はVPNの使用は認められておらず、法律違反となるので注意が必要です

イラン

イランは「インターネット制限大国」と呼ばれるほど、インターネットの制限が激しい国として有名です

海外発祥のサービスは全て政府による制限があり、政府が公認したVPNのみ使用が許可されています。

ただ、中国と同じようにグレーゾーンとして利用できるため、反政府的な発言をしない限りは捕まることはありません

イランは重要なイベント時には、テロ行為を抑制する目的でインターネット回線を切断するなど、不安定な一面があるので注意が必要です。

イラク

イラクは世界的にインターネット普及が遅れており、2003年の米軍からの攻撃で政権が1度崩壊するなど、政治的にも不安定さが目立ちます。

イラク政府はインターネットからアクセスできるコンテンツを制限しており、VPNを介したアクセスを禁止しています

他国から輸入もかなり制限されており、閉鎖的な国としても有名です。

ベラルーシ

ベラルーシは政府によるインターネットの制限が特に厳しい国として有名で、国内では逮捕者も続出しています

例えば、インターネットカフェで国外のネットワークを使用した場合、その使用者本人ではなく、国外ネットワーク使用者を特定できなかったオーナー側が逮捕されるなど、国民に対してもインターネット規制を強めています。

そのため、VPNを使用した国外ネットワークへの接続は法律違反です

トルクメニスタン

トルクメニスタンは「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれるほど、独裁的な政治が特徴でインターネット設備の普及の遅さが目立ちます

2007年までインターネットが全く普及しておらず、現在は高速ネット回線を使うためには月額6800ドルが必要など、国民にインターネットが行き渡っていない状況です。

独裁政治のため、観光にはツアーが必ず必要な点は北朝鮮と似ています。インターネットのアクセス制限も厳しく、VPNを介したネットアクセスは違法です

オマーン

オマーンは中央アジアに位置する「絶対君主制国家」で有名な国です。VPNを利用した暗号化を規制している国で、インターネット自体は問題なく使用できます

世界的に閉鎖的な国ですが、インターネットの普及率は約95%と国民はインターネットを普通に使える環境があります。

しかし、VPNに関しては認められたVPNのみ使用を認めているため、認められていないVPNの使用は違法です

一部制限があるが合法とする国まとめ

ここからは法律的には合法でVPNを利用できる反面、一部制限を設けている国をご紹介します。滞在先に含まれる場合は制限を理解した上で使用しましょう。

エジプト

エジプトでは政府によるインターネットの制限・監視が日常的に行われ、規制が厳しい国として有名です。中にはSNSの総フォロワー数が5,000人を超えるアカウントを「メディア」として扱い、監視の対象にする法律も可決されています。

VPNの使用自体は処罰の対象になりません。しかし、SNSでの反政府的な発言や虚偽の情報の発信など、政府にとって不利に働く情報と断定された段階で処罰の対象です

政府は許可なくウェブサイトを作ることも禁止しており、今後VPNの利用自体を規制する可能性も十分にあると予想されます。

トルコ

トルコはインターネットの検閲が日常的に行われている国として有名です。VPNの利用自体は違法ではなく、インターネットは比較的自由に使えます

トルコはデモ行為や誘拐行為を抑制するためにインターネットを規制しています。社会的に重大な影響を与える出来事が発生した際は、政府が一斉にインターネットに制限をかけるなど、厳しい制限を設けています。

現在は政府がVPNプロバイダーを全て制限する動きがあり、今後VPNの使用が違法になる可能性もあるでしょう。

アラブ首長国連邦(UAE)

アラブ首長国連邦、UAEではVPNは合法的に使用できますが、犯罪行為への使用や政府が禁止しているコンテンツへのアクセスは違法です

特にオンラインカジノやポルノサイトへのアクセスは犯罪行為として厳しく取り締まっています。使用自体は合法ですが、VPNの利用に前向きな姿勢ではありません。

法律的には合法だが実質制限されている国まとめ

ここからは合法ですが、変わった制限がある国をご紹介します。海外旅行で訪れる機会はあまりないかもしれませんが、併せて参考にしてください。

シリア

シリアは歴史の中で何度も戦争が起こっている国で、インターネットの普及率も15%程度と世界的に見てもインターネット環境の整備が進んでいません。

また、政府によるインターネットアクティビティの監視が日常化しており、定期的なSNSへのアクセス制限も頻発しています。

VPNの利用は法律違反ではありませんが、政府がVPNのプロバイダを攻撃し続けているため、徐々に使えるVPNが少なくなっています

今後、使用できないVPNは増加するでしょう。

ウガンダ

ウガンダでは2018年7月1日から「ソーシャルメディア税」を導入したことをきっかけに、国内で節税目的でVPNの導入が横行しました。税の導入により、国民は1日単位で税金を納める必要があります。

ウガンダでのVPN利用は税金をくぐり抜けるために使っているのだと勘違いされる危険も考えられます。処罰される危険はありませんが、SNSや動画配信サービスの利用が停止されます

制限・規制された国で外国人が逮捕された例はある?

制限・規制された国で外国人が逮捕された例はある?

VPNの利用が制限・規制された国で外国人が逮捕、処罰を受けた例はほとんど存在しません

ただし、規制された国の国民が逮捕、処罰を受けた例が存在するので、簡単に説明していきます。今回は2例ご紹介します。

河北省承徳市在住のプログラマー

中国の河北省承徳市に住むプログラマーがVPNを利用して中国の大規模検閲システム「グレート・ファイアウォール」を超え、プログラミング業務を受注をした疑い。

2019年9月〜2022年11月までソフト開共有サイト「Github」を活用し、海外から受注したプログラミング業務を受けていた。

政府は3年分の所得約2100万円の罰金を課した。

引用:https://mainichi.jp/articles/20231003/k00/00m/030/068000c

広東省東莞市のフェイクニュース男

中国の広東省東莞市に住む男が、金銭を得る目的でフェイクニュースを流した疑い。男はVPNを介して生成AI「ChatGPT」を利用し、フェイクニュースを作成しネットに投稿した。

ChatGPTは中国ではグレート・ファイアウォールにより規制されており、VPNを利用した不正アクセスも問題視されている。

引用:https://www.cnn.co.jp/tech/35203556.html

VPNが合法な国でも違法行為はNG

VPNが合法な国でも違法行為はNG

VPNには「ノーログポリシー」と呼ばれる一種のセキュリティ機能が搭載されています。ログとは簡単に言えば「足跡」に例えられ、通信内容やアクセス履歴を残さないので、第3者から通信を保護する目的があります。

稀にVPNのノーログポリシーを利用した違法行為に手を染める人もいますが、基本的に犯罪行為にVPNを使うのは、VPNの使用が合法的な国でも違法行為になるので注意しましょう

しかし、VPNの匿名性は非常に強力で、警察からの捜査も難しい状態です。ノーログVPNが利用された犯罪の実例もあり、身元の特定ができなかったケースも珍しくありません。

※犯罪を助長する目的はございません。

まとめ

まとめ

今回注目するべき点は以下の通りです。

  • 海外でのVPN使用は基本的に合法
  • 一部の国では違法なため注意が必要
  • 海外でVPNの使用で逮捕された外国人はいない

海外旅行先でSNSやメッセージアプリ、動画配信サービスが使えないのはよくある話です。

特に動画配信サービスに関しては、著作権に関する法律が各国で違うので、日本以外からアクセスはできません。

上記のような技術を「ジオブロック(地域制限)」と呼び、VPNはジオブロックの解除に最も有効な手段として知られています

海外旅行に行く際は、ぜひVPNの導入を検討してはいかがでしょうか。

よくある質問

ここからはVPNに関する「よくある質問」に答えていきます。

海外で使うVPN料金の目安は?

海外で使う料金の目安はプランによって異なりますが、1か月プランで約1,000円〜1,500円前後で契約できる事業者がほとんどです。

中には7日プラン、15日プランを提供している事業者も確認されているため、用途に合わせたVPN選びが重要です。

料金に関する情報は下記の記事でご紹介しています。

海外で使うVPNの料金の目安はいくら?【料金の比較表や無料VPNの使用についても併せて解説】

VPNは海外旅行で必須ですか?

全ての人が必須かと言われればそうではありません。HuluやU-NEXT、AbemaTVを暇な時間に視聴したい方、無料Wi-Fiを使う予定の方、海外のセキュリティに不安がある方はVPNを契約するとよいでしょう

利用できないサービスがある可能性を含めると必要になる場合がほとんどです。

おすすめのVPNはありますか?

当サイトには海外で使いやすいVPNをまとめた記事があります。

先ほど紹介した7日プランを提供しているVPN事業者も含まれているので、ぜひ参考にしてください。

海外から利用できるVPNおすすめ6選!【違法性や安全に利用できるVPNを厳選】

中国でインターネットが規制されている詳細な理由は?

中国では大規模なインターネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」を設置し、国民のインターネットアクティビティを全て監視できる体制を整えています。

中国政府は「国民の統制」を目標に掲げていますが、中国の外交性が失われる危険を考え、厳しい取り締まりは実施していません。認められていないVPNの使用は違法としていますが、外国人が捕まった例はなく、実質グレーゾーンのような形でVPNを使えます。

詳しくは下記の記事でまとめているので、併せて参考にしてください。

VPNを中国から使用するのは違法?【中国でのVPN規制や違法性について解説】

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