皆さんは、トルコでインターネットが自由に使えないことをご存じでしょうか。トルコは、政府によるインターネットの検閲や監視が行われ、インターネットが自由に使えない国として有名です。
同じく中国もインターネットの検閲が厳しい国として有名ですが、中国でのVPN使用はグレーゾーンとして扱われています。中国国内でVPNを使用し、過激な発言をした中国人が逮捕される事案も存在しますが、トルコはどうでしょうか。知識がないまま渡航して逮捕されてしまったらと考えてしまいます。
今回は、トルコで利用できるおすすめVPNを紹介するとともに、トルコでのVPN使用の違法性や無料VPNの使用についても解説しています。併せて参考にしてください。
当サイトは日本人視点で利用しやすいVPNを紹介するサイトです。海外在住時にさまざまなVPNを購入・使用した経験を持つ日本人がVPNに関する情報を発信しているので、ぜひ参考にしてください。
VPNとは?
「VPN」とは、「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」の略です。VPNに接続すると、インターネット上に仮想的なトンネルを作成し、第3者が介入できない安全な通信を実現できます。日本語訳では「仮想専用通信網」と呼ばれ、主に拠点間の通信に効果があります。
VPNの仕組みとして、拠点間で通信されるデータを保護する「通信の暗号化」、通信の利用者が正規の利用者であることを確認する「認証」により、安全な通信を確立しています。
その他にも、スパイウェアやトロイの木馬などのマルウェアを警告する「マルウェア保護」や危険なサイトを監視する「ダークウェブモニター」など、セキュリティを強化する機能が搭載されています。
これらの技術を利用し、拠点間に仮想的な通信網を設置し、安全な通信を提供するサービスが「VPN接続」です。
トルコでVPNが必要な理由とは?
現在、トルコではソーシャルメディアや動画配信サービスに規制がかけられており、お世辞にも「治安が良い」とは言い難い状態です。国境なき記者団は、トルコ政府に対して「インターネットの敵」と非難しており、今後インターネットの規制はより強化されるでしょう。
2018年4月には、CNNテレビトルコ支局や新聞会社を政府が買収するなど、メディアの自由度は以前よりも制限されています。インターネットも同様に政府の監視、検閲が日常的に行われており、インターネットの使用に自由はありません。
ここからは、トルコでVPNが必要な理由を解説しています。
トルコから日本のサービスにアクセスできる
トルコ政府によるインターネット制限と検閲により、トルコ国内からSNSや動画配信サービスにアクセスできない状態が続いています。
しかし、VPNを利用することで、日本の動画配信サービスやSNSにアクセスできるため、トルコに旅行・留学する際は、VPNの利用は必須です。また、日本のVPNサーバーを経由することで、IPアドレスの秘匿化にも役立ちます。
トルコ政府のインターネット検閲や監視を回避できる
VPNを用いることで仮想的な専用回線を作り出し、トルコ政府による検閲や監視を突破できます。このような地域的なインターネット制限は「ジオブロック」と呼ばれ、VPNはジオブロックを解除する最も有効的な手段です。
同じくインターネットの規制を強化している中国では、政府が通信を認識できなくなるとして、特定のVPN以外の使用を認めないと公言するほど効果があります。
各VPN事業者からも「インターネットの規制が強い国での利用」について言及されており、インターネットの規制が強い国ではVPNが重宝されます。
トルコで利用できない日本のサービスは?
トルコで利用できないサービスは、規制の強化に伴い年々増加傾向にあります。日本で使われるSNSや動画配信サービスの多くは、既にブロックされており、VPNがない状態では利用できません。
トルコで規制されているサービスやサイトは以下の通り
動画配信サービスでは、主に海外向けの動画が制限されており、日本が発祥の動画配信サービスは全て制限があります。また、SNSの規制もあり、インターネット上での自由はないと考えましょう。
VPNの使用はトルコで違法?
トルコ政府は、テロ行為の防止を目的とし、インターネットのアクセスを禁止しています。動画配信サービスでは、過激な描写がある映画もあり、トルコ国民が影響されないよう規制しています。
そのため、トルコでVPNを使用する行為は違法ではありません。政府は、反政府的な発言や違法行為を監視しており、VPNの使用自体は合法です。
また、トルコはあまり治安の良い国ではありません。トルコ国内には、テロや誘拐活動を行う非合法組織がいくつか確認されており、過去に何度かテロも発生しています。
トルコは、インターネット制限を含む多くの規制があり、政治的にも不安定さが見受けられます。
無料VPNはトルコでも使える?
無料VPNはトルコ国内でも利用が確認できています。ただし、通信速度の不安定さやセキュリティの弱さが見受けられるため、用途で使い分けると効果的です。
筑波大学が提供する「VPN Gate」では、インターネット規制が厳しいロシアからの利用者が多い点が評価されており、完全無料で使えます。日本の教育機関が実験的に配信しているVPNサービスであり、安全性・信頼性が高い日本製VPNです。
また、長時間の利用や日常的に利用する場合は、有料VPNへの乗り換えも検討しましょう。
トルコでの使えるVPNの選び方
VPNの選び方は、人によってさまざまですが「安さ」を軸に選ぶ方が多いでしょう。VPN事業者のほとんどが長期契約時の月額料金を安く設定しており、安さを軸にするのであれば、長期契約が前提です。
トルコでインターネット検閲を回避するための「セキュリティ」、快適な利用につながる「通信速度」など、選び方にはパターンが存在します。
ここからは、VPNを選ぶ前に必ず知っておきたい選び方について解説します。
アプリで使えるVPNを選ぶ
トルコに限らず、海外でVPNを利用する場合、専用のアプリが配信されているサービスを選ぶことが重要です。
現在は、ほとんどのVPN事業者がアプリを提供していますが、中にはGoogle Play Storeでしか配信されていないアプリもあるため、利用するVPNサービスの公式サイトをチェックしましょう。
アプリを利用するメリットとして、スマホでのVPNサービスの提供に特化しており、簡単・手軽に利用できます。また、「プッシュ通知」はアプリならではの機能です。VPNを手軽に利用できる点はアプリ独自の強みと言えるでしょう。
ノーログポリシーの有無
「ノーログポリシー」とは、VPNを提供するプロバイダ(事業者)がIPアドレスや検索履歴などのアクティビティを保存しないという一種の契約です。ログは「足跡」とも呼ばれ、保存されたログをさかのぼることで、個人情報やクレジットカード情報にアクセスできる危険があります。
ノーログポリシーの有無は、プライバシーを保護する目的でも非常に重要な役割を果たします。現在は、有料VPNの事業者のほとんどが「ノーログポリシー」を掲載しており、安心して利用が可能です。反対に、無料VPNのほとんどはノーログポリシーを採用していません。
ほとんどの有料VPN事業者がノーログポリシーを採用していますが、念のため、利用前に公式サイトを確認しましょう。
通信速度とサーバー設置国
もともと、海外の回線は日本の回線ほど速度が速いわけではなく、通信速度は安定していません。VPNの利用には、通信速度の低下が必ず発生するため、できる限りトルコにサーバーが設置されているVPNを選ぶと通信速度が安定しやすいでしょう。
VPN利用時における通信速度の低下の仕組みとしては、VPNの接続時はVPNサーバーを経由し、データの暗号化や認証を行います。例えば、日本からブラジルのサーバーにつなぐ場合、日本から送信されたデータは地球の反対側にあるブラジルのサーバーを経由し、暗号化処理や認証が行われます。その後、ご自身が操作する端末にデータが反映されます。データの送受信を日本とブラジルで行っているため、当然データのやり取りに時間がかかりますよね。
トルコで利用する端末からトルコのVPNサーバーでデータの送受信を行うことで、データのやり取りが即座に完了するため、通信速度の低下を最小限に抑えられます。
接続するサーバーはご自身で選択できるため「トルコ」が選択できるVPNサービスを選ぶと快適に利用できます。
トルコで利用できるおすすめVPN
今回、トルコで利用できるVPNを選んだ基準は「トルコサーバーの有無」です。快適な通信速度を実現するためにも、トルコ国内にVPNサーバーを設置している事業者を厳選しました。
現在、トルコでのVPNの使用は必須となっており、VPNなしでは満足できるインターネット利用は実現できない状態です。
ここからは快適に利用できるおすすめVPNをまとめています。
NordVPN
NordVPNは、トルコで最も快適に利用できるVPNとして有名です。「マルウェア保護」や「ダークウェブモニター」など、強力なセキュリティ機能が搭載され、検閲や監視からデバイスを保護できます。
専用のアプリはApp Store・Google Play Storeで配信されており、簡単に利用を開始できる点が評価されています。スマホでの利用に特化しているVPNです。
トルコにNordVPNの専用VPNサーバーが設置されており、通信速度も心配無用。インターネットの規制が厳しい国からの接続に適した「専用サーバー」を完備しています。
長期契約は月額料金が非常に安く、一度に長期契約を結ぶと良いでしょう。短期契約は利用料金が割高で、短期契約には適していません。
日本の動画配信サービスやSNSにも対応しており、万能に使えるVPNです。セキュリティの強化やインターネット規制の強い国から接続する方におすすめのVPNサービスです。
Surfshark
Surfsharkはトルコでも快適に利用できる、比較的新しいVPNサービスです。「BEST VALUE VPN 2023」や「CanalTech most popular VPN service 2022」など、多くの賞を受賞しており、一新されたサービス内容とセキュリティ機能の高さが特徴です。
Surfsharkはトルコのイスタンブールに専用のVPNサーバーを設置しており、トルコ国内からの接続を快適に行えます。24時間年中無休のカスタマーサポートを展開し、万が一接続不良が発生した場合でも早急に対応を受けられます。
ノーログポリシーの掲載も確認できており、セキュリティ機能も万全な状態です。その他にも「Dynamic MultiHop」によるVPNサーバーの複数経由や「IP Rotator」の10分ごとのIPアドレス変更など、インターネット規制が厳しい国からの接続にも対応しています。
短期契約はひと月あたりの値段が非常に高いため、長期契約をまとめて契約するのがおすすめ。料金プランも3種類に分けられており、用途に合わせて選びやすい設計になっています。
世界情勢に柔軟に対応しているVPN事業者を選びたい方やインターネット検閲を確実に回避したい方におすすめです。30日間の無料返金対応も受けられるため、安心して利用を開始できる点も高評価です。
CyberGhost
CyberGhostは顧客のニーズに応える姿勢を崩さない万能型のVPNサービスです。45日間の無料返金期間とセキュリティ機能の充実さが魅力です。
CyberGhostの大きな特徴として、サーバー数の多い点が挙げられます。現在、サーバー数は全世界100か国・11646サーバーを設置しており、その中にトルコも含まれています。トルコのイスタンブールに26個のVPNサーバーが設置され、通信速度の影響が出にくい点が評価されるポイント。
当然、ノーログポリシーを掲載しており、ログを保存しないことを公式サイト内で言及しています。その他にも安全性の高い暗号化システム「256ビットAES暗号化」の採用やVPNが何らかの不具合で切断された際にWi-Fi接続を自動切断する「自動キルスイッチ機能」を標準搭載しており、安全性に長けたVPNサービスです。
主に長期契約時の破格の安さが特徴ですが、短期契約もそこそこ安いため、用途に応じて使い分けも可能。基本は長期契約を一度に結ぶと良いでしょう。
日常的にVPNを使用する方や長期間に渡ってVPNを使用する予定がある方、旅行をする方など、短期的な利用にも適しています。
まとめ
トルコでのVPN利用は合法だと判明し、トルコ政府が制限する理由は「テロ行為の阻止」が目的でした。
トルコサーバーを設置しているVPN事業者も限られており、選び方を間違えてしまうと通信速度の低下や接続不良につながるケースが後を絶ちません。
同じくインターネットの検閲や監視を行う「中国」では、VPNの使用がグレーゾーンに扱われており、政府は指定したVPN以外は使用しないようにと宣言をしています。国によってVPNの使用が違法としている国もあるため注意が必要です。
当サイトでは、海外で利用できるVPNサービスをまとめています。中国での利用に関わらず、VPNの利用が制限されている国をまとめていますので、詳しくは「海外で利用できるVPN6選」をご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。