VPNに接続した時の速度の目安は?速度低下の原因や回線速度の測定時の専門用語も併せて解説!

VPNの選び方

VPNに接続した速度の目安がわからないと悩んでいませんか。通信速度の遅延は、VPNの接続時に必ず見られる現象で、少しですが遅くなったことを実感できます。

日本ではテレワークの普及が急速に進んでおり、自宅でのVPN導入も並行して進められています。ビデオ会議の導入でカクついたり、途切れてしまったり、スムーズに会議が進まない経験があるのではないでしょうか。

今回はVPNを接続した時の速度の目安について解説しています。その他にも速度が低下してしまう原因や回線速度の専門用語についても解説しているので、併せて参考にしてください。

当サイトは日本人の視点から安全なVPNサービスを紹介するサイトです。海外に在住した経験がある私が、使いやすさと安さを兼ね備えたVPNを厳選しています。

VPNの通信速度が低下する原因は?

データの暗号化処理やサーバー間の送受信により、VPNを接続した際は通信速度が低下するのが普通です。とはいえ、少しだけ遅くなったと感じる程度で、明らかに遅延が発生している場合は何かしらの原因があります。

携帯端末では、端末自体の性能が劣化している場合、VPN導入による遅延が想定よりも大きくなるケースも報告されており、すぐには解決できない問題も考えられます。

ここではVPNの通信速度が低下する原因をまとめています。

VPNサーバーにアクセスが集中している

暗号化処理を行うVPNサーバーにアクセスが集中し、負荷が許容量を上回ると、通信が一時的に遅くなります。VPNの処理能力には限界があり、処理能力を上回る動作が発生した場合、暗号化処理に時間がかかってしまいます。

処理能力を低下させる動作の例を紹介すると

  • 利用者の多い時間帯にVPNサーバーにアクセスする
  • 画像サイズや容量の多いデータを開封、ダウンロードする
  • 一時的に複数の動作を行う

また、テレワークを導入する企業が増えており、同じVPN回線を利用することで、通信が遅くなっている可能性も考えられます。

自身の端末の処理能力低下

デバイス・モデム・ルーターは継続して使い続けることで処理能力が低下します。また、端末を長期間メンテナンスをしていない場合は、処理能力が大きく低下しているため、新しい端末に買い替えても良いでしょう。

端末は、データを処理する際に「メモリ」を使用します。長時間継続して使用する過程で、バックグラウンドには起動したアプリやデータが積み重なります。その結果、メモリを圧迫してしまい、通信速度の低下を招きます。

端末がまだ新しい場合は「再起動」も有効です。積み重なったアプリやデータは再起動によりリセットされ、再び速度が安定する可能性があります。携帯端末はキャッシュクリアを実行することで、解決するケースもあるため確認しましょう。

VPNサーバーとの距離

利用するVPNサーバーと端末の距離が遠いと、データの送受信に時間がかかり、通信速度が低下する可能性があります。

VPNを利用する際は、VPNサーバーにアクセスし、暗号化処理を行います。VPNサーバーの距離が遠いと、アクセスに時間がかかってしまい、通信速度は大幅に低下します

例えば、日本の利用者が地球の反対にあるブラジルのサーバーを利用すると、データの送信には時間がかかりますよね。VPNを利用する際は、滞在先の国に最も近い位置にあるサーバーを選択することで、通信速度の低下を防ぐことが可能です。

Windowsのアップデート

WindowsやmacOS、iOSなど、コンピューターの操作やアプリを使用するために必要なソフトウェアのことをOSと呼びます。

通信速度が遅くなる原因として、OSのアップデートが行われている可能性があります。

特に、Windowsのアップデートは全てのユーザーに対して、一斉にアップデートの通知が送信される仕組みです。一度に多くの人が一斉にアップデートを行うことで、サーバーに負荷がかかり、VPNの通信速度にも影響がでます。

アップデートを夜中に実行することで、VPNへの影響も少なく、快適に利用が可能です。

プロバイダのトラブル

プロバイダは「インターネットの事業者」のことを指し、プロバイダ側に問題がある場合でも、通信速度が低下します。

サーバーの設置国で、地震や土砂災害などの「自然災害」や、デモやテロ、暴動などの「社会影響の大きい出来事」が発生した際に、プロバイダ側が一時的に制限をかけた例も存在します。

対処法を全て実践し、通信速度が回復しない場合、契約したプロバイダに通信障害が発生していないかを確認しましょう。

ウイルス対策ソフトとの併用

ウイルス対策ソフトは、不正なアクセスやウイルスから端末を保護する役割があります。しかし、ウイルス対策ソフトがVPNの通信を遮断してしまい、通信速度が安定しなかったり、通信が途切れてしまうケースが考えられます

また、ウイルスの有無や異常がないかを確認する「ウイルススキャン」は、デバイス内のデータ容量によってスキャンに時間がかかり、通信速度に遅延が発生します

ウイルスバスタークラウドやノートン360など、端末を保護するために欠かせないツールですが、通信速度が大幅に低下する場合や通信が途切れる場合は、一度ウイルス対策ソフトの設定を確認しましょう。

ウイルス対策ソフトの削除は安全性を損なうため、設定の見直しやソフトの一時的な停止をすると効果的です

MTUの調整不足

MTU (Maximum Transmission Unit)は、ネットワークにおける一回の転送で送信できるデータの最大値を示す伝送単位です。デバイス・ルーターのMTUの数値とVPN装置の数値に差があるほど、通信速度が遅くなってしまいます。

使用している端末のMTUとVPNサーバーのMTUがうまく調整できていないと、データの送受信に時間がかかり、結果的に使用中のカクつきやラグにつながります。

ネットワークのMTUはデフォルトで1500に設定されており、VPN接続で遅延が発生するのは、VPNサーバーと端末の「相性が悪さ」が原因と思われます。

また、日本のインターネット通信における最も快適な数値は1500と明記されているため、通信速度が極端に遅い場合は、違うVPNサービスに変更するのも手です。

契約しているVPNの回線が弱い

VPNサービスは事業者によってサービスの品質が異なり、安定した回線が提供できない事業者は解約し、別のサービスに変更しましょう。

特に、無料VPNは通信速度の不安定さや貧弱な回線が目立つため、通信速度の低下につながりやすく、あまりおすすめはできません

反対に、有料VPNはサーバー数の多さから通信速度が安定している事業者も多く、年単位の契約をすることで、月額料金を安くすることが可能です。さらに、一部の事業者は無料の返金保証期間を設定しており、利用しやすいことで知られています。

提供しているサービスやプランは事業者によって異なるため、一度確認することをおすすめします。当サイトでは「短期間で安く利用できるVPN3選」を紹介しています。無料返金保証期間を設けているVPNサービスも紹介していますので、併せて参考にしてください。

快適に利用できるVPNの通信速度の目安は?

一般的に、VPN接続時の快適な通信速度の目安は30Mbpsとされています。主にネットサーフィンやメール・チャット、通話程度であれば快適に利用できるでしょう。

反対に、ビデオ通話やオンラインゲームには80Mbps〜100Mbpsの回線が要求されることもあり、用途によって快適に利用できる通信速度は異なります。

ここからは快適に利用できるVPNの通信速度の目安を解説しています。

ビデオ会議の通信速度の目安

新型コロナウイルスの影響により、リモートワークを導入する企業が増えており、ZoomやWebex、Teamsなど、ビデオ会議をする機会は急増しています。

リアルタイムで音声や映像を動かす必要があり、音声が途切れてしまってはビデオ会議にも影響が出ます。しかし、音声のみであれば通信速度は求められないため、安定してWeb会議を進行できるでしょう。

一方、カメラを用いたビデオ会議では、より安定した通信速度が求められるため、低速な通信速度では「映像のカクツキ」や「カメラの一時停止」などのトラブルが発生します。また、会議中に資料の共有が求められる場合、アップロードに時間がかかり、スムーズな進行が途切れてしまいます。

その他にも並行して作業を進める場合、より安定した回線が必要です。最低30Mbpsは確保し、可能であれば40〜50Mbpsが確保できる環境が好ましいでしょう

メール・チャットの通信速度の目安

メールやチャットは「インターネット接続があれば問題ない」レベルでも送信が可能です。最低でも1Mbpsは確保したいところですが、画像や動画の送信が含まれるのであれば余裕を持って10Mbpsが確保できる環境が好ましいです

全世界の通信速度は最低でも10Mbpsは確保されているので、基本メールやチャットはどこでも利用ができます。

大容量ファイルのダウンロード・閲覧

大容量ファイルのダウンロードや閲覧には時間がかかることが多く、できるだけ安定した速い通信速度が求められます。利用している回線の速度が速ければ速いほど、ダウンロードの時間は短くなり、素早いダウンロードには安定した回線が必要です。

VPNのサーバー自体に速度制限が設けられている場合は、制限されたMbpsしか出力しないため、利用するVPNサービスの内容は念入りに確認しましょう。

基本的に安定した通信速度が確保できる環境でなければ、大容量のファイルは開かない方が良いでしょう。もし、急ぎで開封する場合は最低でも40〜50Mbpsは確保し、可能であれば80Mbps前後の余裕が必要です

知っておきたいVPNの通信速度を表す用語とは?

VPNの速度にはおおよその目安が存在し、自身の家の通信速度が気になったのではないでしょうか。一般的な光回線を利用している場合、大体下りで70Mbps〜80Mbps前後、携帯のモバイル通信で下り46Mbps前後の数値が出るはずです。

では「Mbps」の意味を知っているかと言われれば、知らない人の方が多いと思います。インターネットの回線速度には専門用語が多く含まれており、素人には理解できない単語ばかりです。

ここからはインターネット回線の速度測定によく使われる用語を解説しています。

Ping

PING・msの意味

Pingは日本語に直すと「応答時間」と呼ばれ、自身が体感する通信速度を数値化した物と考えても良いでしょう。

ネットを介した通信には、パケットの受信・送信する「応答速度」という指標が存在し、送信から受信までのタイムラグを「Ping」と呼んでいます。

閲覧したいサイトへアクセスする場合、そのサイトのURLをクリックした後、「閲覧する」というデータがサーバーに送信されます。サーバー側ではサイトのデータを送信後、こちら側で受信します。一連の動作で送信・受信の1往復の時間が「Ping値」です

Ping値は数値が小さいほど、通信速度が速いことを示しています。

ms

msとは「ミリセカンド」の略であり「1000分の1秒」を指すPING値の単位です

PINGと同様、データを送信して、相手から応答があるまでの時間を示しています。

一般的には50msを下回ると快適に利用できていると言えます。反対に50msを上回ってしまうと、カクつきを感じたり、映像に遅延が発生しやすくなります。

msは数値が小さいほど快適な通信速度です。

Mbps

Mbpsの意味

Mbpsは一秒間に転送できるデータ量を示す単位です。「メガビーピーエス」と呼ばれており、「Mega Bit Per Second」の頭文字を取った呼び方です。

例えば1Mbpsは一秒間に1Mbit(メガビット)のデータを送信でき、50Mbpsであれば一秒間に50Mbit(メガビット)のデータを送信できます。

一秒間あたりに送受信できるデータ量が大きくなるほど、短時間で送受信が完了します。例として20MBのデータの送信に10Mbpsの転送速度だった場合、送信には2秒の時間を要します。反対に、転送速度が20Mbpsの場合は1秒で送信が可能です。

Mbpsは数値が高いほど送受信できるデータ量は多くなり、快適な通信速度を維持できます。

ダウンロード・アップデート

ダウンロードの意味

「ダウンロード」はデータを受信する際の速度のことを指します。反対に「アップロード」はデータを送信する速度を示しています。

データの送受信に限らず、サイトのページ表示の速さや動画再生までの速さに直結するため、速度が低下した際は一度確認しましょう。

またダウンロードは「下り速度」とも呼ばれ、反対にアップロードは「上り回線」と呼ばれます。上り回線は、インターネット上のデータをアップロードする速さを示しており、SNSや動画の投稿に適しています。

単位は上記で解説した「Mbps」で測定されます。

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