皆さんは無料Wi-Fiの危険性を考えたことはあるでしょうか。無料Wi-Fiは、公共施設で利用できるWi-Fiサービスであり、一度は使用した経験があると思います。
実際、無料Wi-Fiを利用した方の端末からクレジットカード情報が盗まれた事例も報告されており、無料Wi-Fiのセキュリティリスクについて知っておくべきでしょう。
今回は無料VPNのメリット・デメリットを中心に解説するとともに、脆弱性の意味や無料VPNの正しい選び方を併せて解説しています。
当サイトは日本人視点で利用しやすいVPNを紹介するサイトです。海外在住時にさまざまなVPNを購入・使用した経験を持つ日本人がVPNに関する情報を発信しているので、ぜひ参考にしてください。
無料VPNの2つのパターンとは?
「無料VPN」という一つのくくりにまとめられていますが、実際の無料VPNには2種類存在します。特に、App StoreやGoogle Play Storeで配信されている無料VPNは、運営元の詳細が不明な場合が多く、危険度が高いと言われています。
信頼性のあるVPN事業者が配信しているアプリケーション以外は、怪しい事業者と考えるべきでしょう。ここでは、無料VPNの2つのパターンについて解説します。
完全無料で提供されているサービス
無料VPNに最も多いタイプとして「完全に無料で提供しているVPN」が挙げられます。このような無料VPNはApp StoreやGoogle Play Store、ウェブサイトから簡単にインストールできます。
VPNの運用には少なからず費用がかかるため、完全に無料で提供されているサービスには、不明な運営者が記載されていることも。無料VPNの運営者のほとんどが中国とのつながりが確認されており、利用には細心の注意が必要です。
ユーザーから利益を得ていないVPNサービスの運営者は、個人情報の無断売買で収益を得ているため、利用前に必ず確認しましょう。
有料VPNの無料トライアル
無料VPNで、最も安全に使用できるタイプが「有料VPNの無料トライアル」を利用することです。有料VPNは、運営元の詳細がしっかりと記載されており、安全性と信頼性が確保されています。特に、セキュリティ面や通信速度の速さに定評があり、快適に利用することが可能です。
実際、無料トライアルを実施しているVPNは少ないものの、Grocal VPN・セカイVPNの2種類は無料期間を設けている事業者として有名です。
中には、無料で利用できる反面、機能やデータ通信量を制限する形で利用できる無料VPNもあります。有料版のメリットを知ってもらう目的で、事業者が提供しているため、初めてVPNを利用する方に適したタイプです。
無料VPNのメリット
無料VPNと聞いて、最初に浮かぶメリットと言えば「無料で利用できること」でしょう。無料VPNの性能は必要最低限であるものの、一時的な利用であれば無料VPNで満足できるケースも多く見受けられます。
また、個人情報の登録や面倒な設定がなく、気軽に利用できる点も無料VPNのメリットと言えます。ここからは数少ない無料VPNのメリットを紹介しています。
コストが一切かからない
無料VPNの最大のメリットは、コストが一切かからない点です。短時間の利用では、有料VPNを契約するほど使用しないケースがほとんどのため、無料VPNを利用する大きなメリットと言えるでしょう。
そもそも、有料VPNは使用料金の支払いもあり、導入に踏み込めない方も多くいます。無料VPNは、ノーリスクで使用を開始できるため、無料VPNから始めてみるのもおすすめです。
ただし、完全無料のVPNは、有料VPNと比較してできることが少なく、できれば有料VPNが提供する無料トライアルを利用しましょう。
個人情報の登録がなく簡単に利用できる
完全無料で提供されているVPNは、アプリのインストール後すぐに使える場合が多く、簡単に利用を開始できる点が優れています。また、面倒な個人情報やメールアドレスの入力などもなく、快適に利用できます。
反対に、有料VPNが提供する無料トライアルは、簡単な情報の入力が求められる場合があり、少し手間がかかるのは難点。その分、安全な通信を確立できるため、サクッと入力を済ませましょう。
現在、VPNの導入にはアプリケーションが利用され、情報盗取の温床になっています。アプリのインストールは非常に簡単ですが、その特性を悪用する例もあるため注意が必要です。デメリットについては、次で紹介しています。
無料VPNのデメリット
無料VPNは、セキュリティに関しても最低限の性能に設定されているため、攻撃者から簡単に情報を盗み見されてしまいます。また、VPNの脆弱性の多さも欠点の一つであり、安全性は皆無と言っても過言ではありません。
現に、無料VPNを運営する事業者は、個人情報の売買によって収益を得ている可能性があり、安全を保証できるものは何もない状態です。
ここからは無料VPNのデメリットについて解説しつつ、VPNの脆弱性も併せて解説しています。
VPNプロバイダによる情報の盗取
VPNの仕組みから、プロバイダ、すなわち事業者側は利用者のログや閲覧履歴を管理できます。ログは「足跡」とも例えられ、ログをさかのぼることでクレジットカード情報や個人情報を盗取する被害が多発しています。
盗取される情報は以下の通り
通常のサイバー攻撃では、第3者からの攻撃により被害を受ける場合がほとんどですが、無料VPNの場合、プロバイダ側からの情報盗取により知らぬ間に被害を受けることがあります。
App Storeで「VPN」と検索するとさまざまなVPNが並んでいますが、中には情報の盗取を目的としたVPNプロバイダが潜んでいることを忘れてはいけません。無料VPNを選ぶ際は、運営元の情報が信頼されている企業であるかを確認する必要があります。
セキュリティリスクの高さ
無料VPNには、「脆弱性(ぜいじゃくせい)」を多く含んでおり、セキュリティのリスクが高い状態です。脆弱性は、VPNに限らずセキュリティの弱点や欠陥を示す言葉であり、この脆弱性を利用したサイバー攻撃が多発しています。
脆弱性は、主に古いセキュリティシステムを利用している機器に多く見られ、脆弱性の放置がセキュリティリスクの高さに直接的な関係があります。ほとんどの無料Wi-Fiは、脆弱性が放置されているケースが多く、ハッカーにとって情報を抜き取るのは容易いと言えるでしょう。
また、公共施設以外で提供される無料Wi-Fiには、マルウェアやウイルスに感染させるためだけに開発された無料Wi-Fiが配信されている点にも注意が必要です。
例えば、カフェで提供されている無料Wi-Fiの名前には必ず「店の名前」がついていますよね。名前の記載もない無料Wi-Fiは、必ず危険が含まれていることも知っておきましょう。
利用制限がある
有料VPNプロバイダが提供する無料トライアルには、容量の制限が設けられており、少ない容量で500MB、多い容量で10GBのVPNがあります。
ほとんどの場合、500MBに設定されているため、動画や映画の視聴をするとすぐに容量がなくなってしまい、快適な利用はできないでしょう。
無料VPNは、利用できる通信容量が少なく、日常的な利用には適していません。
頻繁な広告表示
無料VPNは、収益を得るために広告を表示させるプロバイダも少なくありません。広告の表示回数も非常に多く、画面操作の利便性の低下にもつながります。
有料VPNが提供する無料トライアルでは、有料版同様、広告の表示はなく快適に利用できます。広告の表示がストレスに感じるようであれば、有料VPNが提供する無料トライアルを利用しましょう。
通信速度の低下
無料VPNに限らず、有料VPNでも通信速度の低下を防ぐことはできません。VPNの接続時は、VPNサーバーを経由し、通信の暗号化や認証を行うため、通信速度の低下は必ず起こる現象です。
有料VPNは、通信速度の低下を最小限に抑えるためのサーバー強化を頻繁に行っていますが、無料VPNは通信速度の低下を防ぎきれず、大きく速度を低下させてしまいます。当然ですが、元のWi-Fi環境が良いと通信速度は比較的安定しますが、海外の回線は日本の回線ほど速度が速くないため、速度の低下を実感しやすいでしょう。
無料VPNは、通信速度を大きく低下させてしまう可能性があることを知っておく必要があります。
安全な無料VPNの選び方
安全な無料VPNの選び方として最も有力なのは「無料トライアル」を利用することに限ります。無料トライアルは、有料VPNと変わらない性能を体験できるため、一時的な利用や短い時間の利用に適しています。
しかし、データ容量の制限が設けられているため、長時間の利用や日常的な利用には向いておらず、あくまで無料版ということを忘れてはいけません。
ここからは安全な無料VPNの選び方を詳しく解説しています。
運営者情報が開示されている
安全な無料VPNの最も有力な選び方は「運営者情報が開示されている」ことです。無料VPNのほとんどが、運営者が不明なままであり、信頼性・安全性ともに欠けている状態です。
最も有名な無料VPNである「筑波大学 VPN Gate」は、筑波大学が運営する無料VPNサービスです。日本に限らず、世界中のボランティアによって構成されており、安全に利用できる無料VPNとして知られています。
ウクライナ侵攻による影響で、ロシア国内ではSNSやインターネットのアクセス制限が設けられた際に、ロシアからのアクセスが増えたことがニュースで報道されていました。
運営者の情報が開示されたVPNを選ぶことで、安全性の高いVPNを利用できます。
ノーログポリシーの提示
「ノーログポリシー」とは、VPNサービスにおいて利用者の閲覧履歴やIPアドレスなどのログを保存しないことを指します。ログを取らないVPNプロバイダは、情報漏えいの危険性がなく安全に利用できる指標としても用いられます。
プライバシー保護の観点からノーログポリシーを提示しているVPN事業者も多く見受けられます。できる限り、公式サイト内にノーログポリシーについて言及されているVPN事業者を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、ノーログポリシーが提示されていないVPN事業者は、個人情報の売買によって収益を得ている可能性があるため、おすすめできません。
有料VPNの無料トライアルの利用
無料VPNを安全・快適に使いたいのであれば、有料VPNが提供する「無料トライアル」を利用すると良いでしょう。ほとんどの有料VPNは、ノーログポリシーを提示しており、その他にも通信速度の速さ、マルウェア保護、ウイルス対策など、無料VPNとは比べ物にならないほど機能が充実しています。
無料トライアルを実施しているVPN事業者は複数存在し、中には10GBの大容量を提供している事業者も確認できました。
無料トライアルは有料版と変わらない性能を備えており、安全性・信頼性が確立されたVPNを使用したい方におすすめです。また、使用感によっては有料版に切り替えることも検討しましょう。
当サイトでは、無料で利用できるVPNサービスを紹介しています。無料で使えるギガ数や無料期間などの基本情報をまとめていますので、興味がある方は「無料VPNおすすめ6選」をご覧ください。
まとめ:無料VPNは危険が多い
無料VPNのメリット・デメリットについて触れました。無料VPNは、完全無料で使えるVPNと有料VPNが提供する無料トライアルの2種類が存在し、いずれも全く異なる性能をしています。
特に、完全無料で使えるVPNは、運営元の詳細が明かされていない場合が多く、情報盗取の温床になっていることが判明しています。また、多くの無料VPNは、最終的に中国へとつながっていることも明らかになっており、信用性は皆無と言っても過言ではありません。
最終的には有料VPNに切り替えることを前提とし、有料VPNが提供する無料トライアルから利用を始めましょう。